リモートワークの効率を上げるためのオンラインミーティングツールとして、iPad + Apple Pencil は必須だという話。さほど新しい話ではないですが、意外に知らない人が多いので、紹介します。
普段がデスクワークの方でしたら、自分一人でPCに向かって作業する時間と、打ち合わせの時間とがだいたい日常の業務の主だろうと思います。その中で、一人作業の効率化は、例えば椅子やキーボード、モニターなどのリモート環境を整えていくことで、かなり効率を上げることができました。
一方で打ち合わせについては、ZoomやTeams、Google Meetなどの対面コミュニケーションツールの性能がどんどん良くなってきて、音声と表情までは従来と変わらないくらいまで(多少慣れが必要ですが)コミュニケーションできるようになってきましたが、一つ欠けているのが「ホワイトボードの共有」でした。プレゼン資料の共有まではかなりイケていますが、ホワイトボードだけがなぜか置き去りにされてきています。
これは、「書く」という行為が多分にデバイスに依存するためです。紙と鉛筆、もしくはホワイトボードとマーカーは非常に洗練された表現ツールで、文字を書いたり、絵や図を描いたり、注目をひいたり、自分が表現したい事物や気持ちを自由自在に表現できますが、それを伝送できるものがなかなか出なかった。Zoomにもホワイトボードは備わっていて、それなりに使えますが、自由自在に入力するためにはマウスでは辛いですし、ペンタブもかなり大雑把だったり、思うように描けなかったりします。(おそらく専用の熟練が必要。)
そこで、iPad+Apple Pencil の出番です。
ただ iPad を液タブとして使う、というだけなのですが、これを他のホワイトボード共有サービスと組み合わせるとめちゃめちゃ便利、というのが主旨です。
用意するものは iPad と、Apple Pencil。単に「書く/描く」というだけでも、この組み合わせはめちゃめちゃ使いやすくて、ペン先の細かいコントロールが利くので、細かい数式などもしっかり書けます。私は書き心地を試す際には必ず積分の様々な公式を書いてみるのですが、上付き文字、下付文字、インテグラル、インフィニティなどがきれいに書けると、これはいいデバイスだなと思います。
次に、iPad にホワイトボードアプリを入れます。リアルタイム共有ができるものを使いましょう。私は日頃 Google Workspace (旧 GSuite)を使っているので、Jamboard のiPad用アプリを入れます。Teams のユーザーならば Office 365 の MS Whiteboard でもOK。これらは iPad に専用アプリがあるので、これが書き心地的にかなり重要です。
さて、これらのサービス、Jamboard や MS Whiteboard は、クラウドを通じて共有できるのが特徴ですが、これを自分自身と共有するのがミソ。だいたいこういうクラウドサービスは、同じサービスにアカウントを持っていないと共有できなくて、「使えます?」「使えません」っていう会話がそこかしこで繰り広げられています。社内ならそうでもないですが、外部ミーティングだとしばしばおこります。ですが、自分と自分は当然同じクラウドサービスを使えますので、iPad と PC で同じサービスを使うことができる。つまり、iPad で立ち上げた Jamboard や MS Whiteboard を、PC でも見ることができます。
そこで、その画面をミーティングで共有します。
こんな感じ。
これだと、わざわざ全員に「Jamboard 使えますか?」って尋ねなくてよくて、zoom でも、Teams でも、Meet でも、好きなミーティングツールで画面共有すればよいです。
さらに、iPad アプリは立ち上げてすぐに使えることもポイント高くて、
① iPadを立ち上げてJamboardアプリを開く
② (+)を押して新しい Jamboard を開く
③ PCのブラウザで Jamboard を開き
④ 最新のファイルを開いて画面共有
と、最小限のアクションでホワイトボードを立ち上げることができますから、あらかじめ打ち合わせ前に仕込んでおかなくても、手元に iPad を常備しておけば、ミーティングの途中に思い立ってすぐ使うことができます。MS でもだいたい同じです。
さらに、通話が Zoom や WebExでなく、Google Meet または Teams で、参加者が全員 Google もしくは Teams のアカウントを持っている場合は、ミーティングの中からホワイトボードを選択すると、それぞれ Jamboard または MS Whiteboard が立ち上がってこれを使うことができます。例えば Teams だと、画面共有からホワイトボードを選べば、
こんな感じで使えます。面倒な権限設定がされていなければ、参加している全員が画面共有として見られるだけでなく、Jamboard もしくは MS Whiteboard のアプリとして読み書きすることができます。ミーティングでホワイトボードを立てると、自分の MS Whiteboard アプリもしくは Jamboard アプリの最新ファイルのところにいま開いている ホワイトボードが出てくるので、それを開くだけです。参加者が全員同じプラットホームにいるならば、これが最も簡単です。
【各アプリ/サービスの違い】
Jamboard と MS Whiteboard だと、きれいに描ける具合は MS の方です。細い線が描けたり、筆圧検知があったり、テキスト入力方法が多彩だったり。
一方で、ミーティングの際に便利なのは Jamboardで、描いている筆アイコンが表示されて、誰がどこを描いているのかわかったり、ポインタ機能があったりします。MS にはそれがなくて、注目してほしいところを示すいい方法がありません。
なお、テキスト入力は Jamboard は全く使いものになりません。iPad と PC でフォントの大きさが変わってしまうという致命的な欠陥がありますから、手書きのみと思った方がいいです。
なお、Zoom もホワイトボード共有ができますが、Jamboard, MS WHiteboard はそれ単体でサービスになっているのに対し、Zoom のホワイトボードはあくまでも通話機能のオマケです。双方向記入にはあまり向いておらず(不可能ではない)、通話終了後はjpgファイルとして保存されて終了なので、使い勝手はいまいち。実は半年ほど前は一番書きやすいと思っていましたが、Google と MS が一気に追い抜いていきました。
あと、最後に、iPad で Apple Pencil を使う場合には、画面に手書き用のフィルムを貼ると良いです。書く感触が紙っぽくなる製品が売られているので、好みに合わせたフィルムを貼ると気持ちよく書けます。
ということで、人×場所に一台、iPad + Apple Pencil を常備して、快適なリモートワークをしましょう。
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