2019/04/18

文苑堂高岡駅前店が閉店

高岡駅前の文苑堂書店が閉店とのこと。

http://bunendo.com/news/4113/

大和高岡店の閉店のニュースに続いて、高岡駅前の沈没が止まりません。と言いつつも、実は前回高岡駅に行ったのがもう何年前か・・・。 高岡を離れてもう何十年ですので、帰省の際などにたまに買い物に出掛けてもだいたい郊外のイオンモールですし、昔は賑わっていたオタヤ通りなどもいまではシャッター街ですから、用もなく行く場所でもなくなってしまって。それでも辛うじて開いていた高岡大和と文苑堂書店が相次いで閉店となれば、もう僕が知る高岡はどこにもないんじゃないかな。

高校生の頃は、それこそ毎日のようにこの書店に通っていたこともあったくらい、僕にとってこの書店が文化の窓でした。ちょうど帰り道にあったんですよね。高校からの帰り道、歩いて駅前まで戻る途中に、公園を散歩して、書店で立ち読みして、近くの喫茶店でだらだらして。本屋はこの書店と、学校の近くの参考書屋さんしかなかったので、当時持っていたほぼ全ての本はこのお店で買っていた気がします。地下のブルーバックス売り場をよく憶えています。平日の夕方はそんなに人がいないので、静かなフロアに自分だけしかいなくて、本の匂いがあって、ブルーバックスの青い背表紙がびっしり並んでいる様子が思い出されます。

ですから、今でもブルーバックスが並んでないと、 書店に来た気がしません。ブルーバックスの置いてない書店なんて、書店じゃない、みたいな。少ない周辺人口の割には、品揃えは豊富だったように思います。岩波文庫とかも。講談社学術文庫もあったかな?もちろん、かたい本ばかりじゃなくて、Music Life とかの雑誌や、よくわからないあやしい本も。カッパブックスとか。確か5フロアくらいが全部書店でしたから、高々十数万人しか人口のない高岡市で、よくあれだけの品揃えをしていたなと、いまになって思います。実際、今、東京でもあれを超える書店はそう多くは無いんじゃないか。もちろん、時代背景もありますし、昔はネットもアマゾンも無かったし、郊外の書店も少なかったからかもしれません。

高校の同窓生には高岡で生活したり、働いている人も多くて、高岡駅前が寂れていくのは残念だろうなと思うところもあるのですが、一方で、近郊にできたイオンモールは大賑わいですから、このご時世では詮無きことと思う面もあり。自分にできるのは、ただノスタルジックに懐かしむことだけです。

2019/04/10

PCモニターは EIZO FlexScan EV2785 が良い

仕事用のディスプレイモニターが素晴らしく使いやすいので共有します。以前にどこかで書いた気がしていたのですが、書いていなかったようで。実際に使い始めたのは1年ほど前からなのですが、最近オフィスに数台追加したので、思い出しました。

モノは「EIZO FlexScan EV2785」です。ナナオのモニターは昔からファンで、ずっと使い続けていまして、その最新型だと思います。発売開始は2017年末頃。

詳細なレポートは当時のIT Mediaの記事(のEIZOサイトへの転載)をご覧頂くとして、このモニターを利用することによりノートPCが使いやすくなり、生産性が格段に上がりまして、その前はどうしてもメインPCはデスクトップ、ノートPCはサブという扱いだったのですが、このモニターを導入した後は全ての作業をノートPC一台(およびクラウド)でこなすようになりました。

私が仕事をする環境として重要視しているのは、
  • 大量のドキュメントやコードを書ける
  • 大量のデータを視認しながら考えられる
  • 本やノートを広げられる
というところ。 例えば一日にワードで100ページくらいのドキュメントを書くとか、データはExcelで画面いっぱいにデータを表示して眺めるとか、教科書を広げつつA4のノートに数式を書きながら、その数式をMatlabで計算するとか。するとやっぱりデスクトップPCを傍らに置いて、机の上は広く開けつつ、キータッチの良いキーボード(REALFORCEがお気に入り)と反応の良いマウス、高解像度画面(大きさはほどほど)で仕事をするのが最も効率が良い。

実は、この環境自体はノートPCでも実現できます。しかしその際のハードルはなんと言ってもケーブルの多さで、朝オフィスに来て
  • 電源ケーブルをさす
  • モニターケーブルをさす
  • USBキーボードさす
  • USBマウスをさす
と、計4本のケーブルを挿さなければなりませんでした。僅かな作業ですが、これが毎日毎日続くとうんざりしますし、会議室でミーティングする際ちょっとノートPCを持っていこうとすると、行く前に4本のケーブルを抜いて、帰ってきてから4本のケーブルを挿さなければなりません。これは辛い。

しかし、PCがメインとサブに分かれるとこれはこれで面倒なことが多くて、場所を移動する場合などでやりかけの仕事をサスペンドしてもう一度開始する際に、ノート一台ならば、閉じて、移動して、 開けばいいのですが、デスクトップだと、現場の作業を終了し、必要なデータをノートに同期してから移動、再開する際には同期したデータからいろいろ立ち上げなおして再スタートと、これまた大変面倒です。

そこで、やっとこのモニターの登場になります。

上でリンクを張った記事にもありますが、このモニターは
  • 外部モニター接続
  • 電源供給
  • USB機器(キーボードとマウス)の接続
をUSB-Cケーブル一本だけでまかないます。よって、朝、出社してデスクに着いたら、ノートPCを取り出してUSB-Cケーブルを一本挿すだけ。これだけで画面も、電源も、キーボードも、マウスも繋がります。これは便利!(テレビショッピング風)

ということで、このモニターが来たおかげで、デスクトップマシンから卒業し、ノートPC一台を常に持ち歩くスタイルになりました。実は自宅にも全く同じ環境(同じモニター、同じキーボード、同じマウス、同じ椅子)をセットしてあって、やりかけの仕事を持ち帰る際も、オフィスでケーブルを一本抜いて、ノートPCを閉じ、自宅に移動して、ノートPCを開いて一本ケーブルを挿したら、さっきと全く変わらない環境で仕事を続けられます。もちろんそういう環境がない場所でも、例えば今のオフィスはコワーキングなので気分転換にラウンジで仕事をしたりもするのですが、その際もケーブルを一本抜いて、移動して作業し、戻ってきたらまた一本ケーブルを挿すだけです。一本と四本の違いは、作業時間にしたら大したことではないのですが、心理的なハードル、手軽さのハードルは全く違います。

ちなみに、同じようなことは実は他の方法でもできますので、それを少し。

このモニター以前は、PCドックを使おうとしたことがありました。Lenovoですと、10cmキューブくらいの大きさの機械で、近くに来たノートPCと無線で通信し、 画面、キーボード、マウス、LANを中継してくれるものがあります。ケーブル一本と無線とでは当然無線の方が良いのですが、これには落とし穴が・・・。ノートPCはいまのところ電源ケーブルは有線で接続しなければなりません。その他が全部無線になっても、電源だけは挿さなければならないので、最低一本はケーブルが必要になります。また、PCドックはそれ自体が場所を取るというデメリットがあったり、画面の解像度に上限があったり(無線通信だから?)して、この機械はお蔵入りになりました。

なお、EV2785が有線LANも中継してくれるともっといいですが、いまのところその機能は無いようです。昨今は無線LANが非常に速くなったのであまりそのニーズもないのですが、たまに大容量のデータをやりとりしている際には、有線LANが恋しくなります。

以上、オフィスの生産性向上のための最適モニターの話でした。

現代のコモンズ創出

AD STUDIES 67(吉田秀雄記念事業財団)掲載の「コモンズ(共有地)論から見る現代のシェアライフ(竹之内祥子)」が興味深かったので。

理想=現代のコモンズ創出
現実=シェアリングエコノミーによるコモンズ喪失
将来=利他的モチベーションによるコモンズ再創出?

その条件は?
{
  1. 参加者の個性重視、出入り自由
 ,2. ルールの自律性とフレキシブルな改変
 ,3. フラットで外部に開かれた関係性
 ,4. リアル/バーチャルコミュニケーションの併用
 ,5. 異質な人同士の出会い
} × 利他的モチベーション

http://www.yhmf.jp/pdf/activity/adstudies/vol_67_02.pdf

当初、「『共』的な相互扶助精神、いわばコモンズマインドを持った参加者が集まっていた」シェアリングエコノミーが、規模の拡大につれて「お互い利己的に利益を得ようとするフリーライダー的マインドを持つ利用者が多く参入」することで「共」が失われる、と。

ところで、最近、私の所属する会社はweworkというシェアオフィスに転居したのですけれど、ここもまさにコモンズとシェアリングエコノミーとの間にあるような場所です。まだ始まったばかりですが、この空間が「シェアリングエコノミー」的になっていくのか、それとも「コモンズ」を維持して、空間として面白い場所にできるのかどうか、私達入居者の「利他的モチベーション」次第です。

2019/04/02

wework入居一ヶ月。さすがと思ったところ。

オフィスを普通のオフィスビルからweworkに移して一ヶ月が経ちました。あたりまえですが、いろいろ便利なところ、不便なところ、融通が利かないところ、手が行き届いているところがあります。でも、全部ひっくるめて、かなりの働きやすさを実感しています。ウチのメンバーも周りの皆さんと交流したり、夜はラウンジでビールを飲んだり、四ッ谷の飲食店を開拓したりと、総じて楽しいと感じてくれているように思いますので、よい移転だったと思います。

そんな中でも、さすがweworkだと思ったのが、今日発見したお祈り室と授乳室。弊社にはムスリムが一人いるので一日に何度かのお祈りは欠かせないのですが、それに使える部屋があることをさっき知りました。ここは奥が深いです(笑)。また、その隣には授乳室があったりして、そういう所に気が利いているのもすばらしい。なお、お祈り室も授乳室も、それ専用というわけではなく、何分かの時間を何かに専用で利用したいというニーズに対するもので、例えばお祈りとか瞑想などの際に水まわりが必要な場合は、授乳室にはその設備があるのでそちらを使ってよいとのこと。その辺りの臨機応変さも舶来っぽさが感じられます。

 そういえば昨日、ラウンジで小さい子が勉強していて、春休みだからお母さんが一緒に連れてきたんだろうなと。ウチにも歳の近い子がいるので、何かあったときには(もしくは何もなくても)連れてきて、一緒にいられて、自分は仕事ができる環境、そういう光景があたりまえにあるのも、ココのいいところです。もちろん、そういう自由さ、個人の働き方の尊重は、個人一人一人の責任感や寛容の上に成り立っているので、入居者はこのコミュニティをより楽しいものにしていくことに積極的に関与しなければ、という注釈付きで。